ニッスイの物流が停止、原因は委託先への不正アクセス——取引先のシステムが止まったときの備え
2026年10月7日、ニッスイが、グループの物流会社・日水物流でシステム障害が起き、商品の入出荷ができない状態になっていると発表しました。原因は、日水物流が使う委託先のデータセンターへの不正アクセスとみられています。自社が直接攻撃されていなくても業務が止まる——中小企業にとっても他人事ではない、この種の被害への備えを解説します。
受発注や在庫、配送の管理を外部のサービスに任せている会社は少なくありません。その委託先が止まったとき、自社の業務はどうなるか。ニッスイの件と、7月に起きたニチレイの件を手がかりに整理します。
何が起きたのか
項目 | 内容 |
|---|---|
発表 | 2026年10月7日、株式会社ニッスイ(第1報) |
影響 | グループ会社の日水物流でシステム障害が発生し、日水物流が取り扱う商品の入出荷ができない状況 |
原因 | 日水物流が利用する委託先のデータセンターへの、第三者による不正アクセスとみられる |
個人情報 | ニッスイグループが管理する個人情報や顧客データの外部への流出は、確認中 |
復旧 | 早期復旧に向けて対応中。見通しは改めて知らせるとしている |
7月にはニチレイでも物流が止まった
食品の物流がサイバー攻撃で止まるのは、今年2度目です。2026年7月13日にはニチレイグループで不正アクセスによるシステム障害が起き、冷蔵倉庫の入出庫や冷凍食品の出荷が止まりました。取引先の飲食チェーンや小売店で品切れや欠品が報じられ、学校給食への影響も出ています。全拠点が平常どおり動くようになったのは7月24日で、復旧までおよそ10日かかりました。
攻撃を受けたのは物流の会社やシステムでも、影響はその先の取引先や消費者にまで広がります。
「自社は無事でも止まる」委託先経由の被害
今回のニッスイの件では、攻撃されたのはグループ会社が使っていた委託先のデータセンターとみられています。自社のパソコンやネットワークをどれだけ守っていても、業務に欠かせないシステムを外部に預けていれば、そこが止まると業務も止まります。
取引先や委託先を経由して被害を受ける仕組みは中小企業が狙われるサプライチェーン攻撃とはで詳しく解説しています。中小企業は、大企業の取引先として「入口」に使われる側にも、委託先の障害で「止まる」側にもなり得ます。
中小企業が今からできる備え
1. 止まると困るシステムと、その預け先を一覧にする
受発注、在庫、配送、会計、予約など、止まると業務が回らないシステムを書き出し、それぞれ「どの会社のサービスか」「データはどこにあるか」を一覧にします。どこに頼っているかが分かっていないと、障害のときに何が影響を受けるのかも判断できません。
2. 委託先が止まったときの「代わりのやり方」を決めておく
システムが数日使えなくなったとき、紙の伝票や電話・FAX、表計算ソフトなどで最低限の業務を続ける手順を決めておきます。取引先や顧客への連絡方法も、メール以外の手段を用意しておくと安心です。バックアップの考え方はランサムウェア対策で最も重要なバックアップの取り方にまとめています。
3. 委託先のセキュリティと、障害時の連絡体制を確認する
契約や更新のタイミングで、委託先がどんなセキュリティ対策をしているか、障害が起きたらいつ・誰に・どう知らせてくれるのかを確認しておきます。自社の連絡の段取りはセキュリティインシデント発生時の連絡フローの作り方を参考にしてください。
4. 障害のどさくさを狙う詐欺に注意する
取引先で障害が起きているときは、「システム障害のため振込先が変わりました」といった請求書詐欺やビジネスメール詐欺が紛れ込みやすくなります。支払い先の変更は、メール以外の手段で必ず確認してください。手口はビジネスメール詐欺(BEC)の手口と防御策と取引先を装う請求書詐欺メールの見抜き方で解説しています。
まとめ:「預け先が止まったら」を一度考えておく
- ニッスイの物流会社で、委託先のデータセンターへの不正アクセスが原因とみられるシステム障害が起き、入出荷が停止
- 7月のニチレイでも物流が止まり、取引先の店舗で品切れが起きた。委託先の障害は、その先の取引先にまで広がる
- 止まると困るシステムと預け先を一覧にし、止まったときの代わりのやり方を決めておく
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参考:ニッスイ「日水物流株式会社におけるシステム障害について(第1報)」(2026年10月7日)、piyolog(ニチレイグループのシステム障害)

