取引先を装う請求書詐欺メールの見抜き方
「いつもお世話になっております。先月分の請求書を再送いたします。お振込先が変更になりましたので、ご確認ください」——こんなメールが、取引のある会社の担当者名で届いたら、あなたはどう対応しますか?
経理担当者なら、毎日のように請求書のやり取りをしています。だからこそ、巧妙に作られた偽の請求書メールは、つい本物だと思って処理してしまいがちです。実際、この「取引先になりすました請求書詐欺」は、中小企業が数十万円から数百万円の被害を受ける深刻な手口として急増しています。今回は、その見抜き方と、もし対応してしまったときの動き方をわかりやすく解説します。
どんな手口なのか
この詐欺は「ビジネスメール詐欺(BEC)」とも呼ばれます。攻撃者は、あなたの会社と取引先のやり取りを盗み見たうえで、本物そっくりのメールを送ってきます。よくあるパターンはこんな流れです。
- 取引先や自社の担当者のメールアカウントが乗っ取られ、過去のやり取りを把握される
- そのやり取りに割り込む形で「振込先口座が変わりました」という連絡が届く
- 指定された新しい口座に振り込むと、そのお金が攻撃者の手に渡る
怖いのは、メール本文の文体・署名・過去の案件名まで本物と一致していることです。「請求書PDFを開いたら署名欄まで普段どおりだった」というケースも多く、見た目だけでは判断できません。
ここを見れば見抜ける
慌てず、次のポイントを順番に確認しましょう。
1. 送信元メールアドレスを一字一句チェックする
表示名(差出人の名前)は誰でも自由に設定できます。重要なのはその裏にある実際のメールアドレスです。
@より後ろのドメインが、普段やり取りしているものと完全に一致するかrnicrosoftのように「m」を「rn」に見せかけたそっくりドメインでないか.co.jpが.comや.cojp.netなどにすり替わっていないか
スマホだと表示名しか出ないことが多いので、必ずアドレス全体を表示させて確認してください。
2. 「振込先の変更」は最大の警告サイン
正規の取引先でも口座変更はあり得ますが、メールだけで完結させようとする変更は要注意です。本物の企業は、口座変更時に書面や事前の電話連絡を伴うのが一般的です。
3. 「急ぎ」「今日中」を強調していないか
「本日中にお振込をお願いします」「経理の締めに間に合わない」と焦らせるのは詐欺の常套手段です。考える時間を奪うのが目的です。
4. リンクや添付ファイルを安易に開かない
請求書を装ったPDFやリンク先で、ID・パスワードを抜き取られることもあります。心当たりがあっても、まずは差出人を確かめてからにしましょう。
いちばん確実な確認方法
メールの真偽は、メール以外の手段で確かめるのが鉄則です。
- 取引先の電話番号は、メールに書かれた番号ではなく、過去の名刺や正式な契約書に記載された番号にかける
- 「振込先変更の件、メールをいただきましたが念のため確認です」と一言聞くだけでよい
- 担当者個人ではなく、相手企業の代表番号や経理部門に確認するとより安全
メールに記載された連絡先は、攻撃者がすり替えていることがあります。必ず自社で把握している正規の連絡先を使ってください。社内ルールとして「振込先変更は電話確認必須」「一定額以上の振込は上長の二重チェック」と決めておくと、被害をぐっと防げます。
もし振り込んでしまったら/怪しいと思ったら
万が一お金を振り込んでしまっても、すぐ動けば取り戻せる可能性があります。
1. すぐに自社の取引銀行に連絡し、組戻し(くみもどし)や口座凍結を依頼する。早ければ早いほど可能性が上がります 2. 警察(最寄りの署またはサイバー犯罪相談窓口)に通報する 3. 本物の取引先にも連絡し、アカウント乗っ取りの可能性を共有する 4. 該当メールは削除せず、証拠として保管しておく
「まだ振り込んでいないけれど、このメールが本物か不安」という段階でも、早めに相談するのが安心です。
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BULLCOM Securityでは、LINEでの無料相談を受け付けています。「取引先からの請求書メール、振込先変更が書いてあるけど大丈夫?」と感じたら、そのメールのスクリーンショットを送ってください。送信元アドレスや文面から、詐欺の可能性があるかどうかを判断してお伝えします。判断に迷ったら、振り込む前にぜひ一度ご相談ください。会社のお金を守る最後のひと手間を、私たちがお手伝いします。
