家族間で共有しているアカウントの危険性
動画配信サービス、通販サイト、音楽アプリ。家族でひとつのアカウントを使い回している——よくある光景です。料金が節約できますし、いちいち登録するのも面倒ですから。
ただ、共有にはセキュリティ上の落とし穴があります。今日は、何が危ないのか、そしてどう分けるのがよいかを整理します。
共有で起きる4つの問題
1. パスワードが広く知られる
家族が増えるほど、パスワードを知る人が増えます。そして家族は、友人に教えてしまうことがあります。悪気なく、「うちのアカウント使っていいよ」と。
パスワードは、知る人が増えるほど漏れます。 これは人数の問題です。
2. 支払い情報が全員から見える
通販サイトを共有していると、登録済みのクレジットカードで誰でも購入できます。お子さんが誤って高額な買い物をしてしまった、というトラブルは実際にあります。
3. 誰の操作か分からない
不審なログインがあっても、「家族の誰かかな」で終わってしまいます。本当に第三者が入っていても気づけません。
4. 使い回しの連鎖
家族共有アカウントのパスワードは、覚えやすいものになりがちです。そして、それが他のサービスでも使われる。一箇所漏れると全部つながる状態になります。
「共有していい」ものと「よくない」もの
すべてを分ける必要はありません。リスクで線を引くのが現実的です。
分けたほうがよいもの
- ネットバンキング・証券口座(言うまでもなく)
- 通販サイト(カードが登録されている)
- メールアカウント(他のサービスの再発行に使われるため)
- クラウドストレージ(写真や書類が混ざります)
- SNS
共有しても比較的問題が少ないもの
- 動画配信サービス(ファミリープランがあるならそちらを)
- 音楽配信サービス
- ニュースアプリ
多くのサービスには「ファミリープラン」があります。 同じ料金帯で、家族それぞれが個別アカウントを持てることが多いので、まず確認してみてください。
特にメールアカウントは分ける
夫婦で1つのメールアドレスを使っている、というケースがあります。これは最も避けたい共有です。
理由は、メールアカウントが他のすべてのアカウントの親だからです。
- パスワードを忘れたときの再発行メールが届く
- メールを押さえられれば、他のサービスも順に乗っ取れる
家族それぞれが自分のメールアドレスを持つ。ここだけは分けてください。
子どものアカウントをどうするか
年齢によりますが、考え方はこうです。
- 小学生:保護者のアカウントを、保護者の管理下で使わせる。購入には承認を必須に
- 中学生:本人のアカウントを作り、保護者が管理権限を持つ(ファミリー機能を使う)
- 高校生以上:本人のアカウントで、購入承認だけ残すなどの段階的な移行
いきなり全部を自由にするのではなく、段階的に渡していくのが現実的です。
共有をやめるときの手順
- サービスごとにファミリープランがあるか確認する
- 家族それぞれのメールアドレスを用意する
- 個別アカウントを作成し、必要ならデータを移行する
- 元の共有アカウントのパスワードを変更する
- 元のアカウントのログイン履歴を確認し、不審なものがあればログアウトさせる
4番目を忘れないでください。分けただけでは、古いパスワードを知る人が残ります。
パスワード管理ツールという選択肢
どうしても共有が必要な場合(家族の緊急時に備えるなど)は、家族向けのパスワード管理ツールを使う方法があります。
- パスワード本体は誰も覚えない・見ない
- 必要な人にだけ、必要なアカウントを共有できる
- 共有を後から取り消せる
「万一のときに家族がアカウントを開けるようにしておきたい」というニーズにも応えられます。
デジタル遺品の観点も
あまり語られませんが、家族の誰かに何かあったとき、アカウントにアクセスできるかという問題があります。
- サブスクの解約ができない
- 写真が取り出せない
- ネット銀行の存在に家族が気づかない
契約しているサービスの一覧だけでも、紙に残しておくと、いざというときに役立ちます。パスワードそのものは書かず、「何を契約しているか」だけでも十分です。
設定でお困りなら、ご相談ください
「ファミリープランへの移行方法が分からない」「子どものアカウント設定をどうすればいいか」——こうしたご相談を承っています。
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