「うちは狙われない」と思っている会社ほど危ない理由
「うちみたいな小さい会社を狙っても、盗るものがないでしょう」——中小企業のご相談で、非常によく聞く言葉です。
気持ちは分かります。ニュースになるのは大企業の事件ばかりですから。しかし、この認識が現在の攻撃の実態と食い違っていることが、リスクを生んでいます。今日はその理由を整理します。
誤解1:攻撃者は会社を選んでいる
選んでいません。
現在の攻撃の大半は、自動化されています。プログラムがインターネット全体を機械的にスキャンし、
- 古いバージョンのソフトが動いているサーバー
- 初期パスワードのままの機器
- 既知の脆弱性が放置されたサイト
を片っ端から見つけて攻撃します。そこに「どこの会社か」という判断は入りません。
当社のサイトでも、WordPressを狙った攻撃が日常的に飛んできます。当社のサイトはWordPressではないので何も起きませんが、攻撃側はそれを確認せずに送ってきているわけです。
つまり、規模とは無関係に、インターネットに接続している時点で対象です。
誤解2:盗まれて困るものがない
あなたの会社に「盗るもの」がなくても、攻撃者には別の使い道があります。
1. 取引先への踏み台
あなたの会社が最終目標とは限りません。 大企業を直接狙うのは難しいので、セキュリティの緩い取引先を経由する——これがサプライチェーン攻撃です。
あなたの会社のメールアカウントが乗っ取られれば、信用された状態で取引先にウイルスを送れます。
2. サーバーの計算資源
Webサーバーが乗っ取られれば、他所への攻撃の踏み台や、フィッシングサイトの設置場所として使われます。
実際、当社に届いた詐欺メールの誘導先には、改ざんされた海外の中小企業サイトがいくつも含まれていました。その会社は、自社が加害者側に使われていることに気づいていない可能性があります。
3. 身代金
ランサムウェアは、データの価値ではなく「困る度合い」でお金を取ります。中小企業ほど「業務が止まると即座に困る」ため、むしろ払いやすい標的と見なされます。
誤解3:被害はデータが消えるだけ
実際に起きるのは、もっと広い影響です。
- 業務停止(受発注ができない、請求が出せない)
- 取引先への説明と謝罪
- 顧客情報が漏れた場合の報告義務(個人情報保護委員会への報告)
- 信用の低下(次の契約に影響します)
- 復旧費用
「データが戻れば終わり」ではありません。 特に取引先への説明は、中小企業にとって重い負担になります。
誤解4:対策にはお金がかかる
最も効果の高い対策は、ほぼ無料です。
対策 | 費用 | 効果 |
|---|---|---|
管理者アカウントに2要素認証 | 無料 | 非常に大きい |
OSとソフトを最新に保つ | 無料 | 非常に大きい |
退職者アカウントの削除 | 無料 | 大きい |
ルーターの初期パスワード変更 | 無料 | 大きい |
バックアップの復元テスト | 無料 | 大きい |
パスワードの使い回しをやめる | 無料 | 大きい |
お金をかける前にやるべきことが、たくさん残っているのが実情です。高価な製品を買う話ではありません。
「気づいていないだけ」の可能性
もうひとつ考えたいのが、すでに侵入されていて気づいていない可能性です。
- 退職者のアカウントが残っている
- 誰も見ていないサーバーが動き続けている
- メールの転送設定が勝手に追加されている
攻撃者は、気づかれないほど長く居座れます。 「何も起きていない」は「何も起きていないことを確認した」とは違います。
まず何から始めるか
「全部やるのは無理」という会社は、この3つから始めてください。
- 管理者アカウントに2要素認証(今日できます)
- 退職者・不要アカウントの棚卸し(半日)
- バックアップが実際に復元できるか確認(半日)
これだけで、最悪の事態はかなり避けられます。
現状を知るところからご相談ください
「何が危ないのか自体が分からない」という段階でも構いません。BULLCOM Security では、中小企業向けのセキュリティ診断を承っています。
- Webサイトの脆弱性診断(¥29,800〜)
- WordPress月額保守(¥9,800〜)
- 社員向けセキュリティ講習(¥49,800〜)
まずは現状をお聞かせください。優先順位をつけて、費用をかけずにできることからご提案します。お問い合わせフォームまたはLINEからお気軽にご相談ください。

