【実物】官公庁をかたる詐欺(総務省・定額減税の還付)
「【期間限定】総務省統計局アプリダウンロードキャンペーン」「【至急】『定額減税』および過誤納金還付手続に関する確認のお願い」——2026年に当社へ実際に届いたメールの件名です。
官公庁をかたる詐欺は、「お金が戻ってくる」と「役所からの連絡」を組み合わせるのが特徴です。今日は実物から、この手口の見破り方を解説します。
なぜ官公庁が使われるのか
- 断りにくい(役所からの連絡を無視するのは不安)
- 仕組みを知らない(還付や給付の手続きは、そもそも馴染みが薄い)
- お金が戻る話(損失回避より、得をする話のほうが判断が緩む)
特に「還付金」は、実際に制度として存在するため疑いにくいのが厄介です。
実物1:総務省統計局をかたるメール
差出人は本物のドメイン、実際の送信元は別
表示上の差出人は info@stat.go.jp(総務省統計局の本物のドメイン)でした。ところが実際の送信元は sq27.guelagi.com という無関係なドメイン。
差出人の表示名やアドレスは、技術的に簡単に偽装できます。「From が本物だから安全」は成立しません。
本物のリンクと偽物のリンクが同居していた
このメールには、
- 本物:
https://www.stat.go.jp/ - 偽物:
hxxps://shandongjushi.com/?
の両方が入っていました。本物のリンクを混ぜることで「ちゃんとしたメールだ」と信じさせ、本命の偽リンクを踏ませる作りです。
そもそも官公庁は「キャンペーン」をしない
総務省がアプリのダウンロードキャンペーンで景品を配ることは、まずありません。「官公庁+キャンペーン+特典」の組み合わせが出てきたら、それだけで偽物と考えてよいでしょう。
実物2:定額減税・還付手続きをかたるメール
こちらの誘導先は、こうなっていました。
` hxxps://(ランダムな文字列).z22.web.core.windows.net/ ` web.core.windows.net は Microsoft の Azure(クラウドサービス)のドメインです。
「Microsoftのドメインなら安全では」と思うかもしれませんが、Azureのストレージは誰でも借りられるレンタルスペースです。中に何を置くかは借りた人次第で、Microsoftが中身を保証しているわけではありません。
同じ手口で、AWS(amazonaws.com)が使われた偽サイトも当社に届いています。「大手クラウドのドメインだから安全」は成立しません。
官公庁を名乗る連絡の見分け方
1. 公式ドメインは go.jp または lg.jp
- 国の機関 →
.go.jp(例:stat.go.jp、nta.go.jp) - 地方自治体 →
.lg.jp(例:city.kobe.lg.jp)
これらのドメインは審査を経ないと取得できません。逆に言えば、.com .net .xyz を使った「役所からのお知らせ」は偽物です。
ただし前述のとおり、リンク先が大手クラウドの場合は判断が難しくなるので、次の基準も併用してください。
2. 役所は「メールのリンクから口座情報を入力させない」
還付金や給付金の手続きは、書類の郵送、または本人が窓口・公式サイトから手続きするのが原則です。メールのリンクから口座番号やカード情報を入力させることはありません。
3. 「至急」「本日中」は役所らしくない
行政の通知には、通常もっと余裕のある期限が設定されます。極端に急かす時点で不自然です。
確認方法はいつも同じ
- メールのリンクは開かない
- 役所の名前を自分で検索して公式サイトへ行く
- お知らせ欄に同じ案内があるか確認する
- なければ偽物。心配なら、公式サイトに載っている代表番号に電話して聞く
電話番号もメールに書かれたものは使わないでください。偽の窓口につながります。
電話でくる「還付金詐欺」にも注意
メールだけでなく、電話で還付金を持ちかける詐欺も継続しています。共通する特徴はこれです。
「ATMに行ってください」と言われたら、100%詐欺です。
ATMで還付金を受け取れる仕組みは存在しません。 ATMでできるのは「振り込む」ことだけです。ご高齢のご家族には、この一点だけでも伝えておいてください。
迷ったら、操作する前にご相談を
役所を名乗る連絡は、本物も届くので判断に迷います。BULLCOM Security の LINE 無料相談では、届いたメールのスクリーンショットを送っていただければ、本物か偽物かを確認してお返事します。
ご家族に届いたものについてのご相談も歓迎です。「これ、うちの親のところに来たんだけど」という形でも構いません。お気軽にご連絡ください。
