ルーターの初期パスワードを変えないと何が起きるか
「ネットの設定なんて、買ってきて電源を入れたら使えてるし、特にいじってないなあ」——ご自宅やお店のWi-Fiルーター、そんな状態のまま何年も使っていませんか? 実はそのルーター、初期設定のパスワードのままだと、知らないうちに他人に入り込まれる「玄関の鍵をかけ忘れた家」のような状態になっているかもしれません。今回は、ルーターの初期パスワードを変えないと具体的に何が起きるのか、そしてどう守ればいいのかを、できるだけかみくだいてお話しします。
そもそも「2種類のパスワード」がある
ルーターには、実は変えるべきパスワードが2種類あります。ここを混同している方がとても多いので、まず整理しましょう。
- Wi-Fi接続用パスワード(暗号化キー):スマホやパソコンをWi-Fiにつなぐときに入力するパスワード。本体の側面や底面にシールで貼られていることが多いです。
- 管理画面のログインパスワード:ルーターの設定そのものを変える「管理者画面」に入るためのパスワード。これが曲者で、初期値が「admin / admin」「admin / password」のように、メーカー共通で誰でも知っているものになっている機種が少なくありません。
特に危ないのが後者の管理画面のパスワードです。Wi-Fiパスワードは比較的しっかりした文字列が割り当てられていることもありますが、管理画面のほうは初期値が単純なまま放置されがちなのです。
初期パスワードのまま使うと起きること
では、変えないと具体的に何が起きるのでしょうか。代表的なものを挙げます。
1. 通信内容をのぞき見される
管理画面を乗っ取られると、攻撃者は「DNS設定」という、いわば住所録のような部分を書き換えられます。すると、あなたが「銀行の正規サイト」にアクセスしたつもりでも、偽サイトへこっそり誘導される、といったことが技術的に可能になります。本人はURLを正しく打っているのに、です。
2. ただ乗り・犯罪の踏み台にされる
Wi-Fiにただ乗りされると、通信料の問題だけでなく、あなたの回線を使って他人が犯罪行為を行うおそれがあります。その場合、発信元として記録されるのはあなたの契約回線です。身に覚えのないトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
3. 家中の機器がのぞかれる
同じルーターにつながった防犯カメラ、プリンター、スマート家電などにアクセスされる可能性もあります。「玄関の鍵が一つ開いていたら、家の中の部屋も全部開いていた」というイメージです。
見分け方:自分のルーターは大丈夫?
「うちは変えたかどうか覚えていない」という方も多いはず。次のポイントで確認してみてください。
- ルーター本体や説明書に書かれた管理画面のアドレス(例:
192.168.1.1や192.168.0.1)をブラウザに入力し、ログインを試す - そこで「admin」「password」「初期値のままのパスワード」でログインできてしまったら危険信号です。すぐ変更しましょう
- メーカーの公式サイト・公式アプリで、お使いの機種のサポート情報を確認するのも確実です。バッファロー、NEC、エレコムなど各社、公式サイトに設定手順が載っています
なお、ルーターの設定画面を案内する「公式そっくりのサイト」も詐欺の世界には存在します。検索結果の広告などからではなく、説明書記載のアドレスやメーカー公式サイトから進むようにしてください。
今日からできる対策
身構える必要はありません。基本は次の3つだけです。
- 管理画面のパスワードを、推測されにくいものに変更する(誕生日や「1234」などは避け、英大文字・小文字・数字を混ぜて長めに)
- Wi-Fiの暗号化方式を確認する。設定画面で「WPA3」または「WPA2」になっていればOK。古い「WEP」のままなら早めに買い替えや設定変更を
- ファームウェア(本体のソフト)を最新に更新する。多くの機種は自動更新の設定があります。これだけで既知の弱点の多くがふさがります
買ってから5年以上経つルーターは、そもそもメーカーのサポートが終わって更新が来ていないこともあります。その場合は買い替えが一番安全で確実な対策です。
不安なときは気軽にご相談ください
「設定画面を開いてみたけど、どれを変えればいいのか分からない」「このログイン画面、本物か怪しい」——そんなときは一人で悩まず、私たちBULLCOM SecurityのLINE無料相談をご利用ください。ルーターの設定画面のスクリーンショットや、届いた怪しいメールの画像を送っていただければ、危険な状態かどうか、どこを直せばいいかを具体的にお伝えします。鍵のかけ忘れに気づいた今が、直すチャンスです。お気軽にメッセージをお送りください。
